若い頃、占いが好きだった。20代の自分には何の力もなく、組織の力学に巻き込まれる度に、嫌気がさして占いに行っていた気がする。動くべきか、静観するべきか、判断材料を占いに求めていた。その結果、自分で占いが出来るようになった。
きっかけは、世界地図だった。占星術は東洋・西洋で解釈に多少の文化の違いは出るものの、共通する部分も多い。
昔の人は違う土地から同じ空を見ていたと思うと、占星術は暦のビッグデータである気すらして、使わない手はないと思った。人間関係では、参考になる部分も多い。昔はスマホなんてなかったから、人間の動きをよく観察して体系化されていると思う。しかし、それだけだ。
占いで未来なんてものは見えないし、判断材料にもならない。現在を必死に生きることでしか、未来は変わらない。
だからこそ、若者には様々な経験をしてほしい。その経験が、未来の自分が直面する問題の判断材料になる。
判断材料に出来るのは、決断した過去のみだ。流されて過ぎ去った日々は判断材料には程遠い。
だからこそ、若いうちから決断の回数を増やしてほしい。決断には必ずトレードオフが発生する。pros and consを吟味する必要がある。その経験こそが、自分の人生を彩るものになる。
2024年の現在では、退職代行が流行っている。退職代行に異議を唱える人間も多い。しかし、昔からいきなり音信不通で飛ぶように退職する人間も一定数いたのだから、代行とはいえ、連絡をくれるだけ良くないか。企業はその分のヘッドカウントを、今後出社するかどうかも分からない人間に消費する必要がなくなる。若者は、退職代行を使う・転職するという決断機会に恵まれる。
苦言を言う人間側の気持ちもよくわかる。組織作りも採用もコストは前払い制だ。高いコストに対して、果実が実らなければ愚痴の一つも言いたくなる。10年後、採用と退職の市場環境はどの様になっているだろう。もしかしたら、コネ採用しか受け付けないという、何十年も前の時代に逆戻りするかもしれない。2024年の若者がどの様な決断をして、10年後にどんな未来が待っているか、楽しみにしている。
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